太陽の重力が届かない寒冷な場所で固体のH2Oを多く含む宇宙塵が互いに付着することを続けて彗星となり、 それが太陽の重力によって太陽に向かっていきます。太陽が核融合を始めてからは、火星と木星の間の小惑星帯の中央付近に氷境界(frost
line)ができました。 その氷境界線より太陽側に入ると氷であったH2Oが水蒸気に昇華してしまいます。その位置は惑星が大きく成長できる場所です。ところが火星(1.524 au), 1auは太陽と地球の間の距離でその値は1.5x1011mです。.)から木星(5.204au)の間の領域は惑星の空白領域になっていて、小惑星帯になっています。 小惑星帯の小惑星の全質量は2.1x1021kgと見積られており、地球の月の(1/35)に相当します。この領域に存在した多量の星間物質はどこに飛散したのでしょうか。そこで、小惑星帯の中央のセレス(Ceres)位置おいて惑星(A)が水素ガスを集め始めて木星より巨大なガス惑星になり、
一回だけの重水素の核融合爆発をして、粉々になったコアの破片が隕石や小惑星をなったと仮定しました。
隕石の多くは太陽の内部のコアが核融合爆発で放出された固体が太陽に取り込まれない条件を満たしたものです。その条件はケプラーの第3法則を満たした公転軌道です。太陽の核融合爆発によリ飛散した太陽のコアの物質に由来しない隕石として、仮定した小惑星帯で一回だけ重水素の核融合爆発をして飛散した隕石が考えられます。それが、38億年前に隕石の重爆撃を引き起こした小惑星帯の核融合爆発と考えます。
木星より星間物質の高い領域で巨大になった惑星(X)はその成長を加速します。水素ガスを重力圏内に取り込んだ惑星の内部では
物質分化により重心に近い位置は重水素の比率が高くなります。木星の質量の13倍を超える天体は一時的に重水素の核融合を行うことができるという報告があります[4]。
そこで、高温高圧になった重水素が核融合を起こします。惑星(X)で重水素の核融合が起ると連鎖反応によりコアが爆発して、その破片の一部が小惑星帯の多数の隕石や
幾つもの小惑星となったと考えます。この核融合爆発で水素ガスが飛散し、太陽風で流されてしまい、もとの惑星に戻りません。惑星(X)のコアの破片は太陽や木星に捉
えられ惑星(X)が質量の大部分を失い、惑星(X)の核融合による爆発は一回だけで終わります。
核融合爆発で放出された惑星(A)のコアの破片が相互に衝突してその一部が現在の小惑星帯に残りました。その爆発した惑星(A)の破片の一部は他の惑星に落下しました。
それが38億年前頃に惑星が受けた後期隕石重爆撃の原因であると説明できます。
[参考文献]
[4] Chabrier, G., Baraffe, I., Low-mass stars and substellar objects,
Ann. Rev. Astron. Astrophys. 38 (2000) 337-377.
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